【水の国/平原】
水の城から少し離れた広い平原。
遮るものは何もない見通しのいい場所。
互いに軍を率いて、一定の距離を保ちながら俺とガーネットは先頭で向かい合っていた。
ガーネットは馬から降りると、自軍をその場に残して自ら先に中央に歩み出した。
俺も黒炎から降りると、みんなをその場に留まらせ中央に…。
ガーネットに歩み寄った。
互いの距離が、あと十メートルといった所だろうか。
俺達は歩みを止めて顔を合わせた。
綺麗な水色の瞳に見つめられて、本心が今にも暴かれそうになる。
「…感謝致します。」
ガーネットが、微笑みながら口を開いた。
いつも俺を癒してくれた声が、沁みる。
「一騎討ちの申し入れ、受けて頂けるの…ですね?」
「……。はい。
軍は動かさない。約束、します。」
お前に嘘ばかり重ねてきた俺。
この約束だけは、守ろう。