「…まだまだ、ですね。ガーネット様。」

メルはゆっくりと手を放すと、剣を拾い私に差し出す。


「ハァ…。
今日こそは!って思ってたのに…。」

剣を受け取り、拗ねたように呟きながら休憩場所の木陰に入る。
私はどうも猪突猛進のようだ。
剣を持つとどうしてもそれで戦おうとしてしまって、他の戦法をとっさに考える事がまだ出来ない。
さっきのメルのように自ら武器を捨てて、体術に切り替えるという起点が効かない。

今は稽古だからいいものの、実際の戦場では一瞬の判断が命取りになる。
こんなんじゃクー兄様と一緒に戦場に出るなんて、夢のまた夢だ。


「そんなに気を落とす事はありません。
ガーネット様の成長は正直、私には予想以上ですよ?」

落ち込む私にそう言って、メルは笑顔で水の入ったコップを渡してくれる。