慌ただしく騒がしい戦場と化した水の軍の砦。
辺りには火が放たれ、建物の一部が燃えている。
敵か味方か分からない、倒れた人。
怪我をして騒いでいる人々。


「っ……!」

10年前と良く似たその光景に、私に思い出せと言わんばかりに頭痛が襲ってくる。
フラッシュバックして、何度も何度も頭に浮かぶ赤い悲しい記憶。

クウォンを信じたい。
信じたいのに、記憶が私に訴える。

”両親を殺したのは、あの男だ!”
”仇を討つんだッ…!!”と、言わんばかりに鮮明にあの日の事を私に思い出させる。

悲鳴も、叫び声も…。
鼓膜に貼り付いているように、消えない。


「っ…クウォン……ッ。」

確かに、この記憶は消せない事実。
現実に起きた事、なんだと思う。

……でも、嘘じゃない。
クウォンが私を愛して、大切にしてくれていた気持ちは…絶対に嘘なんかじゃない!!