現状報告!オタク女子ですが、エリート上司に愛されてます。
night.3

――まともな恋愛経験がほとんどないのがダメなんだと思う、と私はキーボードを叩きながら改めて思った。


志木さんの家を飛び出した後は、一目散に自宅まで帰って、部屋に引きこもるようにして休日を過ごした。兄のインフルエンザを気にする余裕もなかった。


土日の間、志木さんからは何度もLINEメッセージや電話が来たけれど。
ちゃんと話せる自信がなくて、電話は全部無視してしまった。
一応、『大丈夫です』っていうLINEメッセージの返信は何度かしたんだけど……。


月曜日に出勤してからも、志木さんの顔をまともに見られなかった。
まさか一晩いっしょに過ごしていたことを周囲に知られるわけにもいかないため、志木さんも職場では私にそのことについて話しかけてくることはなかったし。


そんなふうに一週間を過ごし、気がつけばあれからもう一週間……。
なんかこの一週間は、余計なことを考えないようにしようと思って、いつも以上に仕事に没頭してしまった気がする……。幸いインフルエンザにかかることもなかったし……。


そして、金曜日も無事に終わった。
牧原さんと香島くんは「花金だー!」と言って、飲みへ繰り出していったようだけれど、私は家へ直帰した。
< 66 / 142 >

この作品をシェア

pagetop