由佐さんと出掛けることになるなんて、エレベーターで再会したときのことを思い出すと信じられない気持ちになる。
彼から《自宅まで車で迎えに行くから》というメールを前日の夜にもらって、いっきに緊張感が募ったわたしは、夜中まで眠ることができなかった。

だって、あの由佐さんとふたりで出掛けるんだよ? 散々わたしのことを馬鹿にしたり、からかったりしていたくせに、どうして急に……朝まで給湯室のソファで一緒に眠ってしまったときのお詫びといっても、別にそこまでしなくたっていいのに。

そう思いながらも、誘われたことは嬉しかった。ただ、彼に素直な気持ちを見せていいのか不安。

日曜日の午後二時過ぎ、メイクとヘアスタイルの最終チェックをしたわたしは、携帯を気にしながら自分の部屋のソファに座る。
洋服もギリギリまで迷って、女らしさを一応忘れずにワイドに広がったフリルのボトムスにブラウスを着た。

どこへ行くのか、三坂さんのお店でも少し話したりしたけれど、結局決まらずに当日を迎えてしまった。

『遊園地に行く?』と、冗談のように笑って言っていたが、これ本気だったりして。もう二時だし、さすがに遊園地はないよね? 大体、遊園地に行く由佐さんが想像できない、騒がしいのが苦手そうだもん。

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