イジワルな副社長に恋してる!

【土曜日、朝9時に迎えに行く。日給12,000円 ×2日 詳しい契約書は当日でいい?こないだは、すまなかった。】

(- これだけ…?)
絢香はポイっと携帯をベッドに投げた。

1週間がたち、だいぶ冷静にはなった。

(- アイツはいつも、あんな風なのか…。)
考えてもわかる訳がなかった。
あれで、副社長が勤まるなんて。

ついつい、文句しかでない。
子供じゃあるまいし、キスぐらいしたことはある。
でも、ここは日本だ、ホイホイと誰とでも挨拶みたいにはしない。
でも、天使のような顔の、アイツなら…。
(-誰とでもしてそう。)

そこまで、思って落ち込んだ。

ベッドに寝ころび、携帯を手にする。
(- 返事…なんて返そう。)
ふう、と大きく息を吐いた。

【わかりました。】
それだけ、文字を打って手が止まる。
(- 一言文句でもいう?なんて?)
あたしも、平手打ちをお見舞いしてしまった。
嫌、でもアイツが悪い。

もう、アイツ呼ばわりになっていた。

(― 軽い女と思われてる…?)



ナンパされてるのも見られたし、いきなりお泊りしちゃたし、そう思われても仕方ない事をしたのかもしれない。

【わかりました。】
それ以上、何もメールすることはできなかった。

(- でも、絶対あたしは、遊びの女にはならない!)
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