イジワルな副社長に恋してる!
2重になった扉を開けると、そこは、真っ白な壁の高い天井、目の前はガラス張りで、奥にはライトアップされた緑が見えた。そして、幻想的にライトアップされたチャペル内はなんとも言えない雰囲気があった。

絢香はゆっくりと、歩いて祭壇に向かった。
そしてゆっくりと振り返った。
「すごいね・・・。」
絢香は言うと、高い天井を見上げた。

そんな絢香を晃は見ていた。

そして、晃は一歩一歩進みながら、
「今すぐには無理だけど、いつか絢香とまたここに来たい。俺はホントは、不器用で、また、絢香を傷つけたり、泣かすかもしれない。」

そういうと、祭壇の上にいた、絢香の横に立ち、絢香の瞳を真っすぐに見た。

「今は、ここで誓う。俺の心にあるのは絢香を愛する気持ちだけだから。俺を信じて欲しい。」
絢香の瞳から、涙がこぼれた。
「昨日から、泣せてばかりだな。これからは泣かさないようにする。」
今日は、絢香に手を伸ばすと涙を優しく拭った。

しばらくして、絢香は、真っすぐに晃を見ると、
「あたしも誓う。あなたの心に寄り添い続けることを。どんなことがあっても、目をそらないで、あなたの心を探し続けて、あなたを愛し続けることを。」
そういって、涙に濡れた瞳を晃に向け、ふわっと優しく笑った。


「じゃあ、約束。」
と晃は、絢香にキスをした。

月の明かりが二人を照らしていた。


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