失礼男の攻略法
色々考えてると、ほんとにもう恋愛のチャンスなんてないんじゃないかって、一気ににこわくなってくる。
そんな気持ちを打ち消したくて、お兄ちゃんに甘えるように撫でてくれている手にすり寄って頭を傾けると、ふっと小さな笑いを漏らして抱き寄せてくれた。
「こうやって千秋が甘えられるやつが見つかったら、俺も安心なんだけどなー」
しみじみと言っている兄の声を聞きながら、じゃあお兄ちゃんがずっと甘やかしてよ、と思ってしまった自分にびっくりする。
いい年してどんだけブラコンなんだ、とツッコミをいれつつ、今はちょっと弱ってるだけなんだ、と言い聞かせるのに必死だった。