たとえ私が何年かぶりの恋に落ちようが、そのせいで寝不足だろうが、追いかけてくる仕事は待ってはくれないわけで。


「千秋先生、次の打合せの資料、ここ置いときますね」

ん、と書類に目を通したままおざなりに返事をしていると

「明日のスケジュール変更があるんですけど」

デスクの前に立った美希ちゃんが掌をヒラヒラさせている。

「ん、任せる」

とにかく今は目の前の書類を片付けたくって何の確認もないまま返事をしていると

「もー、千秋先生!最近案件ドンドン受けすぎですって!これじゃ私スケジュール調整だけで半日終わっちゃうんですけど」

しびれを切らしたように声を上げている美希ちゃん。さすがに書類に集中できなくって美希ちゃんに目を向けて

「ごめーん」

と言ってみるも、それはどうやら間違いだったようで。