完璧執事の甘い罠

エリックの決断



「アルバーナから手紙が届いたよ」



中庭での会話から数日後、エリック王子に呼び出された私はエリックさまの部屋に出向いた。
ソファに案内され座った私にエリックさまは封の開いた手紙を差し出した。




「・・・ごめんね。一応、中身を確認させてもらった」

「え・・・」

「その前に、キミの執事が送った手紙も、中身は確認させてもらったんだ」




それはきっと、国として仕方のなかったことなのだろう。
中身を読まれることは、決して喜ばしいことではないけれど、仕方ないことなのだと今なら納得ができる。
それでも、エリックさまは正直に話してくれるんだ。




「中を見ても・・・?」

「ああ、構わないよ」




エリックさまの前で読むのは少しためらわれたけれど、今すぐに読みたい衝動が抑えられなくてそう言った。
アルバーナからの手紙。
きっと、ジルからの返事だ。




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