【溺愛注意!】御曹司様はツンデレ秘書とイチャイチャしたい

優しい言葉と意地悪な笑顔

 




朝起きると、私はなぜか専務のマンションにいた。

確か昨夜は専務の先輩の新見さんと飲んでいたはずなのに。どうしてここに?

お酒を飲んでいる途中から、記憶がまったくなくて、首を傾げながらソファーから体を起こす。
体にかけられていたタオルケットを握ってぼんやりとしていると、「起きた?」と背後から声をかけられた。

「あ、おはようございます」

戸惑いながら振り返り頭を下げると、少し眠そうな顔をした専務がいた。

「詩乃ちゃん大丈夫? 気分悪かったりしない?」

やけに私のことを心配する専務に、おどろいて瞬きをする。

「大丈夫ですけど……、そんなに心配されるほど、昨日酔ってました?」
「覚えてない?」
「はい、すいません……」


記憶をなくすほど飲んだことなんて今まで一度もないのに。
もしかして、とんでもない失態をしてしまったんじゃないかと青ざめる。


 
< 98 / 255 >

この作品をシェア

pagetop