おはよう、きみが好きです

頭を悩ませるもの(side八雲)

《side八雲》


翌日、登校してきた俺は、真ん中の自分の席へドカッと座ると、目の前に座る親友が振り返った。



「おはよう八雲……って、これどうしたの?」


「知らねーよ!!」



憎らしいほど顔の整った親友の雪人が、俺の机の上にある紙袋の中をのぞいて、苦笑いを浮かべる。


女だったら、付き合っても良いレベルの女顔なんだよなー、コイツ。



「知らないって……俺の目には、少女漫画に見えるんだけど、八雲こういう趣味あったんだ?」


「あるわけないだろ……やめてくれよ、マジで」



俺、一応イケてる、モテ男で通ってるんだからさ。

なのに……この紙袋を見てクスクス笑って去っていくクラスの連中……。



「八雲、マジうけるんだけどー!!これ、少女漫画じゃん!」



すると、クラスのぶりっ子、田崎 環奈(たざき かんな)が紙袋をのぞき込んでわざわざ大きな声で笑った。


環奈は、見た目茶髪でパッツン前髪にクルクル巻かれたロングヘアーがめちゃくちゃ似合ってるレベル高めの女子。


ぶりっ子だけど、かなりモテる。


< 32 / 259 >

この作品をシェア

pagetop