ソウル・メイト
すまない
夫が出て行った。娘の千鶴を連れて―――。


ここのところ、私たちはすれ違ってばかリだった。
去年買ったマンションのローン返済のために、夫が休みの週末は、私が外に出て働くようになってから、それはもっと顕著になっていた。
それは私も自覚している。

『ねえ、少しは家のことしてくれない?私は8時間、立ちっぱなしの仕事して疲れてるのよ』
『誰が週末まで仕事しろと言った』
『週末くらい働いてお金稼がなきゃ、あなたのお給料だけじゃあやりくりできないのよ!ローンの返済だってあるでしょ』

そう私が言うと、夫はため息をつく。
同じ小言の繰り返しにうんざりした私も、洗濯物をたたむ手を止めてため息をついた。

いつもはここで、この不毛な会話は終わる。
どちらも続ける気がないからだ。
でもこの日は、いつもと違っていた。

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