ソウル・メイト
家事代行
お客さんの家の中へ初めて入ったとき、私は呆然と立ち尽くしながら、それでも無意識のうちに手で鼻を押さえていた。
台所には洗ってないお皿が山積み。
食卓や、居間のテーブル上に置いてある灰皿には、吸い終えて短くなったタバコが山積みになっている。
灰皿が小さいからなのか、その横に置いてある缶ジュースの上にも、吸い終えたタバコが2・3入っているし、テーブルのところどころに、タバコの灰が落ちている。

「これは・・・」
「すごいでしょー。さ、掃除するわよ」

この家の住人が掃除をしていないのは、一目瞭然だけど・・・最後に換気したのは、一体いつだろう。
私は、色々漂ってくる悪臭にクラクラしながら、同年代の先輩である斉木さんに倣って、家中の窓を開け始めた。

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