マ王の花嫁 
小屋と呼べるほどの小さな家の前に、ドレンテルト王家の紋章がついた馬車が止まっている。
馬も白いせいか、私の目にはやけに眩しく見えてしまう。

・・・大丈夫。私は何も悪いことはしていない。
ビビる必要なんてないんだから!

と自分に言いきかせながら、私は我が小屋の中へ入っていった。


外からすでに響いていたシーザーのキャンキャン吠える声が、中に入った途端、もっと私の耳に響き渡ってきた。
それだけで私はホッとする。
加えて、フィリップも無事のようだ。
少なくとも、ここで待ち構えている王家の使者たちに、乱暴な扱いを受けてはいない。

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