許し方がわからなくて
壊れた日常
『もう無理なものは無理よ。だから、早く別れてくれない?』

「イヤだ!絶対別れない!オレが悪かった!何でもするから…そんなこと言わないで。」

『私もイヤだ。一緒の空間にいるだけでムカムカして、耐えられない。』

「椎(しい)お願いだ…。二度としないから!」

『信用できない。最初に約束したはずよ?』

「椎…。」

今、私の目の前で土下座しているのは、2年付き合って来月から同棲しようとしてた彼氏の仰月臣(こうづきおみ)。

昨日、臣は大学時代の先輩と飲みに行ってて。

私は臣の部屋で待ってたけど、朝まで帰ってこなかった。

まぁ、先輩の家に泊まったんだろうと、軽く考えてたら。

朝帰りした臣から、甘ったるい香水の移り香。

問いただすとすぐに浮気を白状した。

飲みに行った先で先輩が女の子に声をかけて、酔った勢いでそうなってしまったと。

連絡先も知らないし、相手も彼氏がいたからお互い後悔しかなくて、別れてきたと。

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