ただ、そばにいて。

6)添い寝友達

 あと片付けをしたあと、借りてきたDVDを一緒に見た。
 ワインをふたりで飲みながら映画を見るのは、意外と楽しかった。

 そのまま眠ってしまったらしい。ふと目を覚ますとDVDはとっくに終わっていて、テレビの画面がブルー一色に切り替わっていた。

 ――あたたかい。でも、足もとが寒い。

 瑞希は悠斗の膝の上に頭をのせ、ソファの上で体を丸めていた。
 悠斗は肘掛けにもたれて眠りこんでいる。瑞希の体の上には、悠斗のダウンコートが掛けてあった。
 ダウンのコートは温かく、なんだか懐かしいにおいがした。

 素朴で、料理をするときだけはいきいきとしている男の子。
 悠斗の体からはいつも瑞希が使っているシャンプーとボディソープの香りがする。

 眠っている悠斗に気を遣いながら、そっと体を起こした。
 暗がりのなかで悠斗の寝顔を眺める。

 すっきりとした頬。
 日焼けのあとの残る肌。
 細くてくせのある前髪は、目にかかるほど伸びている。

 瑞希は二階の部屋から毛布を取ってきた。
 それを悠斗の上にかけ、自分はふたたび悠斗のダウンコートに身を包む。
 自分のベッドで眠ろうかとも思ったが、隣にある悠斗の体温が妙に心地よかった。

 ぐっすりと寝入っている悠斗の肩に、そっと頭をのせた。
 華奢に見えた肩は、しっかりと瑞希の重みを受けとめてくれた。
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