「ほら、お腹空いちゃったし早く帰ろう。今日の晩御飯は何?」


ごめんね…ママ、私の恋は誰にも言えない片思いだから。


例えそれがママだとしても…。


そんな空気を誤魔化すように、私は明るい声を出してママの手から斉藤さんのリードを受け取った。



その晩、皆から無事に着いたとグループメッセージが入った。


そして次はお盆に地元で会う約束をして、その夜は早めにベッドに入った。


高校3年は、一ノ瀬君との距離も少しだけ近くなった気がしていたけど実際にはそんな事もなくて受験生の私たちにとってあまりにも早く時間は過ぎていった。


彼がどこの大学を志望しているのかは気にはなったけどなかなか聞けなかった。


そんなある日、たまたま職員室に行った時に担任と話している一ノ瀬君を見かけた。


2人が話す後ろを通り過ぎた時、聞こえた先生の言葉で彼の志望する大学を知ることになった…。