次の日。いつもは目覚まし時計によって起こされる私が、今日は自然と目を覚ました。


「わっ! わあああー!」


 時刻は早朝の五時。起きてすぐ目に飛び込んだ光景に、私は叫び声を上げてしまう。


 私の隣で、男の人がすやすやと寝ている。男性とは付き合ったことがないどころか男友達すらいない私にとっては、まるでいかがわしく恐れ多い出来事。


 昨日の夜、私たちは本当に何もなかったのだろうか? 穂積くんは私が寝ている隙に、私に何もしなかったのだろうか?


 私も穂積くんも服はちゃんと着ているし、私の体にも異変は見当たらない。ベッドのシーツが汚れている気配も……。間接証拠から、私の体は今日も純潔であると信じよう。


 穂積くんが朝起きるのが苦手と言うのは、本当のようだ。さっきは大声で叫んだつもりなのに、びくともせず、寝息も立てずに眠っている。


 穂積くんが熟睡しているうちに、シャワーを浴びよう。その間に起きた穂積くんに覗かれたり乱入されたりしないように、浴室も内側からしっかりと鍵を掛けておこう。


 なんて、よくよく考えると自分の価値を高く見積もり過ぎていることに、自分でも笑ってしまいそうになる。

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