BAD & BAD【Ⅱ】

まっさらなスクリーン







神雷メンバー全員分の、アールグレイが入ったティーカップをトレイに乗せて、真修と大部屋へ向かった。




近づく度に、やかましさが伝わってくる。


大部屋に入ると、案の定賑やかな声に埋もれた。



うっっさ!!

鼓膜が破れるかと思ったわ!




大部屋には、適当に布団が敷かれていた。



なに?今日はこの部屋で、皆で雑魚寝するつもりなの?いっぱい部屋あるのに?


皆、私が女だってこと忘れてない?



パーティー並に騒々しいから、多分いつの間にか、遊び疲れて寝てるんだろうな。




やれやれとため息混じりに肩をすくめながら、端っこに追いやられたテーブルにトレイを置いた。



テーブルの上には、ビールとオレンジジュースの缶が、たくさん乱雑していた。まだ半分以上が開封されていない。


オレンジジュースを選んだのは、言わずもがな師匠だな。



誰がこんなに買い占めたの?お金の無駄でしょ。


これ全部飲む気なの?お腹たっぷたぷになるよ?



「飲み物がこんなにあるなら、紅茶いらなかったんじゃない?」


「アールグレイの香りで、騒がしさがちょっとは落ち着かないかなあって思って」


「まさかのそっちの効果狙い!?」



確かに、爽やかな香りでリラックスできそうだけれども。



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