ぼくのセカイ征服
『続・計画:蠢動』
清々しい朝の教室。窓から差し込む眩い朝日が僕の眼を刺激する。こんな日には、さわやかに外で運動を…絶対にしたくない。
…なんて、考察の世界に浸っている場合じゃないんだった。迫る危機に気付いたのは、ついさっきのことなのに、また忘れかけていた。歳のせいかなぁ?まだまだ、若いつもりなんだけど。
というか、我ながら、17歳で歳のせいにするのもどうかと思うけど。
話を戻そう。今の僕に迫る、重大な危機とは!とは!とは…!(エコー)
…そう、部員が足りない事だ。今日で創部から一週間。マズい…未だに、僕を含めて部員は2人。今日の授業後、瞬牙が双子の妹を連れてくる、と言っていたので、実質3人か。どうしよう…

「どーしたの?トオルくん。顔色悪いよ?」

…ああ、神はまだ僕を見放してはいなかった。思い悩む僕に、優しく声を掛けてくれる者を派遣してくれるとは。ありがたい。振り向いた僕の目に映ったのは、決して女神といったような大それた者ではなかったが、少なくとも、その時の僕は、これから、その優しい声の持ち主に救われるであろう、と、勝手に思い込んでいた。
なぜなら。
その『優しい声の持ち主』というのは、僕の小学校高学年以来の友人、『天川 異羽』(あまかわ ことは) だったからだ。

「コトハぁ…助けてくれぇ…」
「うわわぁっ!いきなりなにさ!?」
「部員が集まらなかったんだってよ。」

ショウ、いたのか。
というか、いつからいた!?言葉から察するに、最初からだよな!?僕が頭を抱えているというのに、傍らでせせら笑っていたのか、コイツは?なんて薄情なヤツなんだっ!?

「へぇ〜。で、トオルくん、どうするつもりなの?」
「どうするもこうするも、部員を無理矢理集めるか、諦めるかのどっちかしかないだろ?」
「セガちゃん、うるさいよッ!私はトオルくんに聞いてるの!」
「僕は…出来るだけ頑張るけど、ダメだったら、まぁ、しかたないな…って諦める…かな?」
「はぁ〜、トオルくん、相変わらず普通だねぇ。」

普通で何が悪い?普通…いい響きじゃないか。普通上等。
というか。今のやりとりで思い出したが、コトハはかれこれ二週間前からずっと、学校を休んでいたんだった。なんでも、珍しい病にかかった、とかいう話だったと思う。
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