GWが終わると、連休ボケなどしてる間もなく、忙しない日常にのみ込まれる。
私は午前中から会議に出ていた。
ちょっと広い会議室に集まったのは、輸入第一課から真壁課長と黒木さんと私。
テーブルの向こう側には、輸出第一課の営業マンとアシスタントの女性が座っている。


「先方にはこちらの条件として、そちらからいただいたメールをGW前に転送してあります。遅くとも今日明日には回答が得られると思いますので、ご対応お願いします」


黒木さんを挟んでその向こうに座っている真壁課長は、GW前に成約に至ったヨーロッパの電気メーカーとのやり取りを、輸出第一課の二人に報告している。
私は背筋をピンと伸ばしたまま、その横顔にそっと視線を流した。


相変わらず、仕事中は真面目で冷静沈着。
その表情は一向にブレない。


だから私も、なるべく課長を意識しないようにしたいのに。
今私が見ているのは、ピクリとも頬の筋肉を動かさない真壁課長なのに、頭に過るのは、つい昨日の課長のボソッとした小さな一言だ。


『……悪い。柄にもなく、がっついた……』


心の中でリピートした途端、私の胸がドッキンと大きな音を立てて跳ね上がった。


「っ……」


即座に顔が熱くなるのを感じて、勢いよく顔を俯ける。
それに気付いた黒木さんが、「麻生さん?」と訝しそうに小声で呼びかけてきた。

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