月曜日の朝を迎えるのが怖かった。
体調が悪い時以外で、こんなに切実に仕事に行きたくないと思ったのは、社会人四年目にして初めてのこと。


私はいわゆる父の『コネ入社』だから、就活を頑張って内定を掴み、期待に胸を膨らませて入社した先輩や同期から見れば、鬱陶しい目で見られる存在。
それは自分でもよくわかっていたから、これでも仕事はいつも頑張ってきたつもりだ。


ちょっとくらいの熱なら、体温計は封印する。
熱を測らないようにして、気合いで出勤した。
それはもちろん、父の顔に泥を塗る真似をするわけにいかなかったからで、自分の保身の為でもあった。
『甘えてる』と言われたくなかったからだ。


そんな私が、月曜日の朝、スマホのアラームがいつもと同じ時間に鳴っても、布団にくるまり蓑虫みたいになって、うんうん唸っている。


もちろん体調は全然悪くない。
どちらかと言うと、週末にたっぷり休養したおかげで、絶好調と言っていいくらい。
なのに。


「課長に会ったら、どんな顔すればいいの……」


ほんの数週間前までは、できるだけ視界に入れないように、できるだけそばに寄らないように、避けてきた人。
意識の端っこにすら留めなくても、今までなんの弊害もなかった。


なのに、真壁課長と会うことを恐れて、出社拒否症の一歩手前の状態になるなんて。

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