修羅場の色
奥様
 副社長は、家庭があるわりには、週に二回は私と会っている。

 家族の話はあまりしないが、小学生の男の子と三歳になる女の子がいる事は聞いた。

 奥様の事はあまり良くは思っていないようだが、私の方が好だと言う副社長の言葉に少しいい気になっていたのかもしれない……


 始めはホテルで会っていたのだが、最近では私のアパートへ来る事が多くなっていた。

 会社からも離れているし、副社長の高級車がアパートの近くに停まっていても、誰も気が付かないと思っていた。
 


副社長との秘密の関係が、私を燃え上がらせてしまい、副社長の手に体が求め、副社長がどういう人間であるかまで、私の頭の中は回る余地が無かった。





 相変わらず、社長と副社長の仲は悪いようで、下請け会社からも副社長の事を良くは思わない人達の声を聞く事も度々あった。

 しかし、私は副社長からは何も聞かされていないし、聞く必要も無いと思っていた。


 ただ、副社長との特別な関係が続けばいいと……



 そんな中、私達の関係は半年ほど続いていた……
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