嘘は取り消せない
もう何が正解かも分からなくなって
桜side

今日も塾を休み、頭を働かす
だけど前よりずっと楽だ
それはきっと立花さんが
いい人だったからだろう
安心して、秋月先生を任せることが
出来るからだろう
いや、任せるも何も、私と秋月先生は
赤の他人同然だよね



だけどすごく嬉しかった
優しい人で、友達になってくれて、

部屋に籠り、ベッドで横になっていると
1回から微かに私を呼ぶ声がした
そして何回目い目かの呼びかけでやっと自分の名前を呼びれている事に気付いた
「桜姉! ちょっと来て!」
お兄ちゃんはもう仕事だから
さっき学校から帰ってきた湊かな
「すぐ行く!」
ベッドから起き上がり、部屋を後にする

そして階段付近で視界がゆがむ
まるで世界がひっくり返ったような錯覚に陥る
「え…………………」

そうだった
九ノ瀬君のことで悩んでたけど
病気のこともあったんだった

そのまま全身に強い力が加わり、
私の意識は遠のいていった


「桜姉! 」
最後に聞こえたのは湊の声
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