アンドロイド#01
アンドロイド

それから、シャープは研究所で多くの実験を試された。

災害感知システムにより、独断で救助に向かうことも少なくなかったが、その都度、彼の実力が本物であるという確証に繋がっていった。

月日が経ち、学会でも発表され、シェリル博士は脚光を浴びるようになった。

しかし、博士の鼻が天狗になるようなことは決して無かった。


『…博士。』

「何かしら。」

メンテナンス中に、珍しくシャープの方から話し掛けてきた。

『博士は、嬉しくないのか?』

「…何が?」

『…博士は称賛を浴びて、優遇されるようになった。しかし博士はそれを嫌がる。』

“嬉しくないのか”…か。

自我が目覚めてきたのかしら。

それでもおかしい。

人の感情を訊くなんて。

私はこの子に感情を与えていないし、寧ろそれを拒んだ。

そもそもアンドロイドに感情など、あるはずがない。

< 4 / 21 >

この作品をシェア

pagetop