私のご主人様Ⅲ
14.目的

擦れ違い


あれから、数日が経った。

あの日、季龍さんを怒らせてしまってから顔を会わせることはなかった。

季龍さんはあれから学校へ行くこともなく、毎日伸洋さんと共に朝早くから夜遅くまで出ていることが多い。

加えて私が食事を台所で済ませるようになっていたせいもあり、ちらりと姿を見ることさえなくなっていた。

あの時季龍さんが怒ってしまった原因も分からぬまま、ただ時間だけが過ぎていく。

「葉月さんありがとう」

「?」

学校は少しずつ文化祭の準備に追われていく。

授業後も残って準備は進められているけれど、使用人の私に授業後まで残れる時間はない。

これ以上奏多さんと暁くんに仕事を任せてまで学校に時間を費やせるわけもなく、代わりに持ち帰って出来る仕事をもらうことにした。

流石になにもやらないのはまずい。

もらっていた仕事であるメニュー表を厨房班のリーダーに渡すと、申し訳なさそうな顔をされる。

お願いしたのはこっちからなのに、どうしてそんな顔をされているんでしょうか?
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