カズキ、10年愛〜不良のあなたに恋をして〜前編
ゆっくりとアクセルを踏み込む…






すれ違う車がみんな俺を見ている気がして、視線が痛い。



不安を押しのけるかのように





ラジオの曲のボリュームを耳が壊れるぐらいに上げる。








窓を全開にして夜風を浴びながらあの街へと急ぐ。




はしゃぐ気持ちを押さえ



道を急ぎながら携帯を開いた。




















「もしもし?俺…カズキだけど。」




「どうしたの?
こんな朝方に…びっくりしちゃうじゃない」





「ごめん…起こしたか…
今日なんだけど、逢えないか?」




「…え?…」


戸惑う舞の様子が伝わる・・





「嫌…か…?」


「そんな訳ないじゃん!
めちゃめちゃ逢いたいよ。」


「そっかぁ、俺…シュンさんの家にこれから行くから後でな。」


「うん…後でね」










盗んだ車を公園の駐車場に置き捨てた。



もう、家には戻らない…








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