おとなりさん

立花先生の話

「まず、今回晴一君がここに来た理由として、頭痛があったという事じゃ。

来た時には顔面蒼白で、問診票も書けない程じゃった。

とは言っても、一応順番というものがあるからの。

彼の順番になるまでワシらも気をつけて見ていたよ。

彼の順番になって、呼んだんじゃ。

しかし呼んでも呼んでも、晴一くんは診察室に入ってこない。

村井さんとワシは、待合室まで見に行ったんじゃ。

そうしたら晴一くんは、来た時よりも更に顔色が悪くなっておって、脂汗かいてうなされておったわ。

2人でよいしょよいしょと運んで、点滴を打って様子を見ておったんじゃ。

まあ、症状と状況からして、偏頭痛じゃろう。

これは付き合っていくのが大変な病気でな。

晴一くん、ここの所ずっと頭が痛かったんじゃないのかい?」

「え…?どうしてそれを…」

「さっきも言ったように、君の頭痛の原因は偏頭痛という病気じゃ。

この病気の特徴は、気圧が下がる、つまり雨が近付いたり、台風が来たり、まさに今の梅雨の時期になると、こめかみをグリグリされているような、そんな頭痛じゃ。」

「そうだったのか…。」

「じゃあ先生!ハルは雨の日や台風の日ましてや梅雨の時期はずっと頭痛に耐えなくちゃいけないんですか!?」

「ハハ、良輔くん、落ち着きなさい。

大丈夫。薬があるから、本当に痛い時は薬を飲んだり、体を温めたりするといいよ。」

「そうですか…。良かった。ハル、良かったな!」

「なんで俺より心配してんだよ、笑

俺なら大丈夫。むしろお前のことの方が心配だ。」

「なっ!?俺はハルを心配して!」

「まあまあ、2人とも落ち着きなさい。

晴一くん、薬を出しておくから、受け取って帰るように。

薬が終わったり、効かない時は医院に来ること。

分かったね??」

「はい、分かりました。ありがとうございました!」

ハルを支えながら、2人で帰路についた。

途中、ハルがフラっとする事があったし、今日の夜からまた降り始めそうだから、俺の部屋に泊めることにした。
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