明治恋綴
遺言状
明治維新に協力した新華族でありながら、貿易商を興し、そこで更に得た財力を糧に力を拡大させた九条院家。その家の創始者で初代総裁・惟隆が死んだ。しかし一族は悲しみよりも、彼の遺したものに期待をしていた。
財力か。遺品か。それとも権利か。
誰もが彼から自分への利益を欲する中、彼の遺言状が見つかった。そこにはたった一言、こう記されていた。

『狗狼衆の“柊”という者に、私の孫である九条院綴の護衛を依頼しろ』

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