泥酔ドクター拾いました。
あれ、そういえば俺、家に帰ったかな…?


そこからの記憶を辿ろうとすると、波のように襲ってきた痛みが頭全体を支配する。
どうやら、完全な二日酔いらしい。

瞼を閉じたまま、メガネがないことに気が付いて右手を動かしてみると、ふと、指先に柔らかな毛が触れていることに気が付いた。


あれ、俺実家に帰ってきたんだっけ?


俺が帰ると毎回のようにベッドに入ってくる愛犬のモコ。

きっと今日もモコが俺のベッドに入ってきたものだと思ってその毛並みを数回撫でて、違うことに気付いた俺はゆっくりと瞼をこじ開けるように開いてみる。


瞼を開けて、ぎょっとした。

だって、見知らぬ部屋に寝ていたのだから。

それに、俺がモコだと思って撫でていたのは、俺が寝ているベッドに頭をもたげるようにして座ったまま寝ている女だった。

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