「ここからだったら歩いてすぐ行けるじゃない。どうしてわざわざバスなんか…かえって遠回りになるじゃない。それに城址公園までは花街通りもあって、そこを眺めながら公園まで登るのが鉄板…」

「それそれ。鉄板だから変えるんだよ」


向居はスマホでバスの時刻を調べながら説明した。


「花街から行くルートだと人混みも多いし疲れるだけだ。だからバスで公園の裏口まで行くんだよ」

「裏口??」


裏口があるなんてどこの観光誌にも載ってないし、ネットの口コミでも見たことがない。


「紹介もなにも、出入口が花街通りからしかないってことはありえないだろ? 広い公園なんだから出入口は何ヵ所かあるのが普通だ」


と言って、向居はスマホで城址公園の詳細地図を見せてきた。
確かに東西南北に出入口があり、花街通りは南口とつながっている。
ほらここ、と向居は北口の付近を指さした。


「バス停…?」

「そう。調べたら城址公園前という名前のバス停があった。あとはそこまで行けるバスにうまく乗れれば……やったな、さっき乗ったバス停から乗り継ぎ一本で行けるぞ。時間もそんなに待たない」