温かい絆を教えて
8

あわただしく引越しをしたが、荷物が片付くと田舎の街でのんびりと過ごした。




季節は過ぎ、臨月を迎えた。



8月の暑い昼下がり、検診を終えて叔母の家に着いた。
日傘を閉じて玄関に入る。


「ただいま」

「マイカちゃん。お帰り」

笑顔の叔父さんが出迎えてくれる。


「今日は仕事休みなの?」

「7、8月に交替で夏期休暇を取るんでね。
夏休み初日だよ。
お腹大きいのに暑いなか健診大変だろ?
さ、入って」

「うん。重いよ~でも、歩きなさいって言われた」

「あ、お帰りマイカ。
もうすぐ予定日でしょ?
まだ?」

キッチンから昼食を用意してくれている叔母の声が聞こえる。


「うーん、もう産まれてもおかしくないって。
ドキドキする」


作ってくれた冷やし中華を一緒に並べる。


「赤ちゃんの準備はもう揃った?
赤ちゃん用品って色々あって面白いね」

「大丈夫。買いすぎてもきっと困るよ」


笑いながら、3人で昼食を食べた。


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