子犬男子に懐かれました
「……好きだなんて言わないで」
「え?」
私の耳元で掠れた声で言う。
「優也さんの事、好きだなんてお願いだから言わないで」
「何…言ってんの?」
意味が分からない
何で抱き締めてるのかも、優也くんの事好きにならないでって言ってるのも全部意味が分からないーー。
だって……
「壮介くんは花ちゃんが好きなんでしょう?」
「……え?」
「好きな人がいるくせに、私をからかって遊ばないでくれる?」
「え……何言って「出てって。もう家に来ないでよ!?」
壮介くんの腕を払って、無理矢理家から出した。
「意味分かんないよ……」
私の目からは一粒、涙が流れていた。