君に捧ぐは、王冠を賭けた愛。
「強くて優しい王子になるには、夜更かしはよくないわ。
明日は早いから、そろそろ寝なさい」

「はーい。
おやすみなさい」

「おやすみ」

暫くすると、男の子はすやすやと寝息を立てていた。その腕には、絵本が大事そうに抱えられている。

腕の隙間から見える絵本の表紙。
そこには、金色の文字で“リンタール”と記されている。
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