君に捧ぐは、王冠を賭けた愛。
7.証明
えっと…。

こんな場できょろきょろするのはたぶん良くない。
でも、右に左に目を向けてしまう。

だって…。
この場にあるもの全てが眩しい。

今私がいるのは城の中にある広い部屋。
赤い絨毯が敷いてあり、数段上がった階段の向こうには、国王が座っている。

その周りには兵士がずらりと並んでいる。

感じるのは完全なるアウェー感。

国王の威厳や存在感に圧倒されるのはもちろん、横からくる隊長さんの視線が突き刺さって痛い。

ただでさえ、こんなかしこまった場に慣れてないのに。
何度深呼吸しても緊張で手が震える。

一歩一歩絨毯を踏みしめて、国王の前まで行く。

どうして私がこの場に立っているかというと…。

「では、正式に城への出入りを許可する」

「ありがとうございます」

渡されたのは身分証となるブレスレット。
青い石盤には“リンタールの歌姫”と書かれてある。

私がこの場にいる理由は、無事に城への出入りを許可されたからなのです。

こんなこと、未だに信じられない。
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