君に捧ぐは、王冠を賭けた愛。
「どうぞごゆっくり。
僕はここで失礼します」

「待ちなさいよ!
あなたにはいくつか聞きたいことがあるの。
ほら、お座りなさい」

「はい…」

怒らせたら面倒になるから、仕方なく座った。

質問されることは大体予想がつく。
この姫様には何度も同じ質問をされている。
正直もううんざりだ。

「聞きたいこととは何でしょう?
僕に答えられるかどうかわかりませんが」

「大丈夫。あなたはカナトのことをよく知ってるでしょ?

どうなのかしら?
そろそろ私との結婚に向けて、カナトから声をかけられてもいい頃だと思うんだけど。
そういった動きはあるのかしら?」

はは…。
相変わらず自分中心で話を進めるんだから。
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