冷血部長のとろ甘な愛情
晴生は私を離そうと自分の体を起こした。晴生にくっついている私も起こされる。

少し離れた私の顔は晴生の両手に挟まれて無理矢理上へ向かされた。恥ずかしくて顔なんて見れない。

せめて視線だけはずらさそうと目を剃らすが……「夏鈴」と呼ばれ、つい晴生の目を見てしまう。


「夏鈴、好きだよ」

「うん、私も」

「私もなに?」

「えっ? あの……その……晴生と同じ!」

「同じじゃ分からない。ちゃんと夏鈴も言ってよ」

「そんなー。……私も晴生が好き!」


思いきって言ったけど、その声が思いのほか大きかった。


「ははっ、そんなに声を張り上げてくれてありがとう。嬉しいよ」

「あー、もう。恥ずかしすぎる」


私はまた晴生に抱き付いた。晴生も同じように私も抱き締めてくれる。

ものすごく幸せを感じる。好きな人に抱かれるのは最高に幸せだ。


「晴生」

「ん?」

「キスしたい」


彼の顔を見上げると優しく微笑んで、キスしてくれた。キスは好きだからする。

キスをすると幸せになれる。

嬉しいな。

このあと、寝不足だった私は晴生の腕の中で気持ちよく眠った。



ーENDー
< 106 / 112 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop