冷血部長のとろ甘な愛情
正直いって、部長とは話もしたくなければ顔も合わせたくない。でも、あのキスでいつまでも拗ねていると思われたくない。


「何でしょうか?」

「秋の展覧会なんだけどね。今年も神原さんにリーダーとしてやってもらいたいんだけど、いいかな?」

「えっ? でも、それって……」


課長からさらりと言われたけど、部長から言われていた決定事項と違うことに困惑する。

部長がリーダーをやると言い張っていたのに、そんな勝手なことを言っていいのだろうか……と部長の顔色を窺う。

すると、部長は今にも怒り出しそうな顔で私を見てきた。

鋭い目が怖いけど、言ったのは私ではなくて課長だ。だから、怒るなら課長にしてもらいたい。何を言われても怯まないようにしていたけど、何となく半歩後ろに退いてしまう。

ところが、部長は不機嫌そうな声で予想外の言葉を発した。


「リーダーは神原さんに決定だ。しっかりやって。よろしく」

「はい? あ、分かりました。よろしくお願いします」
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