冷血部長のとろ甘な愛情
懐かしいから
文具フェア当日の朝、テレビで天気予報を確認。今日は1日曇り空らしいが、降水確率は低かった。だったら、折り畳み傘があれば降っても大丈夫だろうとカバンの中に入れて出勤した。


11時を過ぎた頃、部長に「30分後に出る」と言われる。作成中の文書を上書き保存して、メールチェックをする。

今からランチして、文具フェアに行くとなると戻りは三時くらいかな。

奈由ちゃんに帰社予定時刻を伝えて、案内図等必要なものをカバンに入れてから部長の方を見る。同じようにカバンを持つ姿が見えたので、先に廊下に出て待つ。

すぐに出てくるかと思ったのに、出てこないからフロアを覗くと課長と話しているのが見えた。だけど、それほど時間がかからなく出てきた。

部長の半歩後ろを歩いて、エレベーターに乗る。


「専務も一緒に行くことになったから」

「そうなんですか? 急ですね」

「多分下で待っているはず」


エレベーターを降りて、ロビーに行くと専務がソファに座っていた。


「神原さん、今日はよろしくね。一緒にご飯食べるの久しぶりだよね?」

「はい、そうですね」
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