新人をナメめてはイケません![番外編あり]
焦(しょう)





入社して、一年経った。




桜が満開、とまではいかないけど綺麗なピンク色の景色が本社の窓から見える。



私もだいぶ慣れてきた。




ミスはたまにするくらい。



書類を間違えて倍印刷したり、押売先に電話を入れるのに通販会社に入れたり……。




こっぴどく部長に怒られました。はい。




ましてや、最悪なのはもっと続くわけで。





溜まりに溜まった愚痴を真凛に電話をいれて、機関銃のように喋ったら沈黙が続くわけよ。




いつもなら《またその話ー?もう飽きたー》って言いつつ何何?と聞いてくるのに、電話の向こうがピリピリしてる感じがして、不思議に思ってスマホを耳から外した。





画面をみれば絶句状態。


そして消えたくなった。



黙って切ろうかと思ったけど、口は勝手に言葉を繋げていた。




そう、電話の向こうは鬼口陽人だったんだ。




無言の間が怖すぎて、数えきれないほどの謝罪を告げたその日の夜は、次の日が来ないように必死に拝みながら夢の中へ。




そして、今日があっという間にやって来たんだ……。






< 20 / 118 >

この作品をシェア

pagetop