後輩なんて本気になりません!


「はい!take 1」
まるで映画監督にでも
なった気になってるのか
ノリノリの龍馬。


「彩乃ぉ!おめでとう!」
顔が引き攣る
笑えない 笑顔が出せない。


「表情が固いです!もっと
肩の力を抜いてください」


自分の肩を揺らしてみせる。


「take 2 はい!どーぞ!」


「彩乃 おめでとう・・・」
棒読み・・・。


「変ですよぉ〜
本を読んでるみたいですよ」


何度も何度も失敗しては
ダメ出しの連続。


頑張ること5回目


「彩乃 おめでとう
学生時代から色々あったけど
あたしのことを1番に
理解してくれるのは彩乃だったね
色々助けられたよ
これからは旦那さんを信じて
幸せな家庭を作ってね」


ちょい意味深ぽいな・・・
まあいいか
あたしの本当の気持ちだし。


「いいっすねぇ!
ばっちりです!笑顔も普通ですし」


「ありがと」


携帯を受け取り帰ろうとするあたしに


「先輩?それはないっすよね?
大役任されてはい!さようなら?」


「大役・・・って。。。」


「飯でも行きません?
一緒に居たいって顔に書いてますよ」


「はぁ???」


冷静な態度でいようと思うけど
なんだか心が読まれてるようで怖い。


「先輩もそろそろ
オレに気があるでしょ?」


「は・はぁ?
もー!何言ってんのよ!
そんなことありません!
勝手なこと言わないで!」


「そーですかぁ?
勘違いでしたか あはは」


勘違いじゃないですけど。。。










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