後輩なんて本気になりません!


朝までまで一緒ーーー


それが頭から入らず
ミスしないでね!
なんて言っておきながら
自分がミスしそう。


こんなにもあたし
龍馬のことを好きになってたんだ。


「中村先輩」


陽菜先輩から中村先輩と
呼び方まで変えてしまった龍馬。


「あっ 何?」
平然を装う。


「先月の売り上げですけど
グラフにしてみたんで
後で確認して直しがあったら
言ってくださいね」


「あ うん わかった」


普通の会話。


お昼はさっさといなくなる
丸井さんと行くのかな。


昼休憩が終わる5分前に帰ってきた龍馬。


「あのぉ 言うの忘れてましたけど
先輩のこと諦めましたから
もう気にしないでくださいね
あっ!別に気にしてませんでしたよね」


「丸井さんと付き合うの?」
ついに尋ねてしまった。


「それは個人情報なんで
お答えできません
先輩の想像に任せます
まぁ〜丸井さんが言ってもいいよ
って許可してくれたら
発表しますね」


それって 付き合い始めた!
と言ってると同じじゃん。


「そう・・・おめでとう」


「おめでとう・・・すか」


まだ何か言いたそうだったが
途中でやめてしまったようだ。


そしてまたまたあたしの恋の終了の鐘が
チンっと心の中で鳴った。



「恵!今夜も付き合って!」


「何なのよぉ 今日は勘弁してよ」


「ダメ?」


「またあの女がなんか言ってきたわけ?」


あの女とは彩乃のこと。


「そーじゃないけど
飲みたい気分だからさ」


「マジで今日はごめん
親の誕生日だから
実家に行くんだ」


「そっか 残念」


「矢口は?矢口誘ったら?」


「龍馬を誘うくらいなら
1人で飲みます!」


「素直になれば?」


「いつも素直ですけど?」


「そーですかぁ?陽菜さん
素直になんないと
後で後悔しますよぉ」


後悔してる
思いっきりしてるよ。









< 76 / 87 >

この作品をシェア

pagetop