あぁ、渇く。消えることのない渇きに、男はただため息を吐いた。



「御前(ゴゼン)様」



男の腕や足に数人の女たちが腕を絡ませる。



「あぁ、渇く」



「ご、ぜ……ッ!!」



傍らにいた女を引き寄せると、躊躇することなく首筋に牙を立てた。



室内に独特な血のにおいが広がる。目の前の光景に、女たちは怯える素振りなど見せず、逆に羨ましそうな視線を向けていた。



女が青白い顔をし始め、男は女を放した。支えを失った女は重力に逆らうことなく床に崩れ落ちた。



「あぁ、渇く」




いくら飲んでも、喉の渇く感覚が消える事はない。



男は、口元につく血を舌で舐めとると再び重いため息をついた。



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