S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。
♡契約を結んだ日
───と、まあ、このような歴史もありまして、決してストーカーではないんです!
誰も聞いちゃいないので自分で言いながら自分を励ます。
「……んまっ!出たわよ!!豆腐屋になりすまして椿様をストーキングしている庶民!」
なりすましてない、豆腐屋だって……。
教室に着くと目がマジなお嬢様達に睨まれて、スナイパーが潜んでいたらどうしようって怯えながら席に座った。
「ビックリしたよ。まさか、明里があのプリンスの幼なじみだったなんてね?」
ありがたいことに変わらない態度で接してくれるのは火神さんだけだ。
「……すみませんすみません。私のような者が幼なじみですみません」
「あははっ。わたしの前ではそういうこと言うのは無し。どこの家の出身だろうと、自分を蔑(さげす)むことなんかないんだからね」
「ありがとうございます……」
「それと、その敬語やめない?普通に話してくれた方がわたしは嬉しいな」