イジメ.COM
説得
それから先は変わらない学校風景が広がった。


朱音は吹っ切れて笑顔が多くなったし、菜々花もいざとなれば朱音の両親に助けてもらうことにしたようだった。


それで問題が解決するのなら、それでいいとあたしも思う。


そのまま午後になると、不良グループの姿が見えなくなっていた。


彼らは時々こうして午後の授業をサボっていた。


一体どこへ行っているのかわからないけれど、カバンは机の横にかけられたままだった。


午後の授業をサボり、放課後になってから鞄だけ取りに戻るのだ。


「そんなことばっかりしてるからダメなんじゃん」


空になった仁の席を見て、朱音が呆れたようにそう呟いた。
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