虹の翼

父の回想


~sideアリオス~

ケイオスは泣いたあと眠ってしまった。

俺と同じ黒髪のせいなのかあまり外に出ないケイオスの肌は青いを通り越して白くなっている。

「……何故、こんなにも怖がるのだろうか?」ケイオスは火が怖いらしい。

相当な恐怖の筈なのに火の消火にイグニスを行動不能に陥らせるだけでは無く、毒の対処まで成し遂げた。

………そういえばあの時もケイオスに助けられた事もあった。

ケイオスが2歳の頃、20分前迄は晴天だったのにあっという間に酷い雷雨になり、騎士たちは外の訓練中だったこともあり、雷の適性が無い騎士たちは被雷した。
急いで城の大広間に避難させて侍医、医術師、総出で事に当たっても全員助けられるか微妙なラインだったが、その当時から桁違いの魔力をほこっていたケイオスは誰が誰を治せば良いのかをその者達の頭上に浮かんだ色で判断出来るようにした。かすり傷など軽度は見習いの医術師や回復の適性があるシェリシア(本人の強い意思と正直猫の手を借りたい位だったから許した。)皇族総出で事に当たったから死亡者0でなんとかなった。

……まぁ、本来、落雷程度なら防ぐなりできた筈の気象台の連中にはペナルティーを課したが。
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