イケメンエリート軍団?何ですかそれ⁇
He is 完全無欠??



日曜日の朝、この日は朝から雨だった。

昨夜、木の実がこの家を出て行ってから、ジャスティンはずっと寝ている。
リビングのソファで、昨日の格好のままで、電気もつけっぱなしで…
今までの人生は、どんなに大変な事があっても仕事が上手くいかなくても、自分の生活のペースが乱れる事は一度もなかった。
それ故に、今の地位まで上りつめる事ができたのだと自負している。

なのに、俺の体はどうなってしまったんだろう…?
頭が重くて、胸が苦しくて、今、目の前に見える全ての空間は埋めようのない空白でしかなくて、寂しさや孤独や虚無感や、今まで縁遠かった感情しか今の俺の中には残っていない。

木の実を知ったのは五日前で、時間に換算しても大した時間一緒にいたわけでもなくて、ましてやキスしかしてない二人の関係性なのに、なんで俺はこんなにも喪失感に苦しんでいるのだろう。

ジャスティンは、重たい体を引きずりながらバスルームへ向かった。
頭から水をかぶれば少しはまともになるかもしれない。
でも、ジャスティンの足は、バスルームを通り越し木の実が居たゲストルームに向かっている。

居ないと分かっていながらも、ジャスティンはそのドアを開けた。


あ……


ジャスティンは、ドアの前でそのまま座り込んでしまった。
ジャスティンの灰色になった世界で、唯一色があるとすれば木の実の着ていたワンピースのブルーだったのに、そのワンピースはこの空白の部屋にポツンと吊るしてある。

木の実は全部を置いていった。

きっと、もうここへは帰って来ない……




< 89 / 124 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop