恋人未満のルームメイト(大きな河の流れるまちで。リメイク版)
第2章 強引なルームメイト。

いそうろうのリュウ

そして、リュウのいそうろう生活が始まった。

居候になったリュウは
あまり邪魔な存在ではなく、規則正しい生活を送る。

しいていうと、昔実家で飼っていたレオって名前の
黒の毛並みの大きなラブラドールレトリーバーみたいななかんじだ。

散歩にご飯。
時々気が向くと飼い主と遊ぶ。
犬の関心ごとはそんなものだ。


大体のリュウの生活と言えば…

朝早くソファーベットで目覚めると、
手早く身の回りの準備を済ませ、私が寝ている寝室のドアを叩く。

私を川岸に誘い散歩に連れ出すためだ。

時間があるときは、
自分のテリトリーに決めているソファーでごろごろとだらしなく寝そべり、
テレビを見てワハハと大声で笑ったり、
野球や、サッカーの中継に夢中になっていたりもしているけど、

真面目な顔で医学雑誌や、英語で書かれている論文に目を通したり、
自分用に用意した蓋つきの 箱を 開けてタブレット端末を持ち出し、
しらべものをしたり、
ソファー前に置かれているテーブルの上で
熱心にノートパソコンで書き物をしていたりしていることも多い。

案外勤勉な性格らしい。

私が食事の用意をしていると、
きょうのご飯は何?と言うように覗き込み、
つまみ食いをして怒られたり、一緒に作ったりする。

食べるのが好きなリュウは食材も選ぶのが好きで、私の買い物についてくる。

そして、

「遠回り」

と言ってまた、川岸を一緒に散歩をするのだ。(やっぱり犬っぽい。)
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