てるてる坊主にコロサレタ

けれども、この先生に言っても無駄だということをわたしは知っている。
わたしのときだって、今の奈穂実と同じように全く話を聞いてくれようとはしなかったから。


「あれはあなたの机でしょう? くだらない意地なんて張っていないで、……早くしなさいっ! 」


聞き分けのない奈穂美に先生はヒステリック気味に甲高い声を出した。
ここまでキツく言われたのなら、奈穂実はもう従うしかない。

麻梨と由梨にニタニタと笑われながら渋々と机を運びはじめた奈穂実に、先生は教室に来た理由を告げた。


「それと松永さん。あなたは学校を抜け出したそうですね。昼食を済ませてからでかまいませんから生徒指導室までくるように」









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